厚生労働省は10日、専門会議にて身体に着けて歩行能力を高める装置「ロボットスーツHAL」について、全身の筋力が低下した難病患者のための医療機器として承認することを了承した。さらにその後、保険適用を検討される。
なんだ「ロボットスーツ」って!?
「ロボットスーツHAL」
マシーンの開発社であるサイバーダインによると「ロボットスーツHAL」とは
身体機能を改善・補助・拡張することができる、
世界初のサイボーグ型ロボットとのこと。
身体にHALを装着することで、
「人」「機械」「情報」を融合させ、
身体の不自由な方をアシストしたり、
いつもより大きなチカラを出したり、
さらに、脳・神経系への運動学習を促すシステムです。
HALは主に三つの用途に別れている。
「作業支援」・「医療」・「福祉」の三つ。
筋肉を動かす際に出す脳の電気信号をキャッチし、内臓コンピューターが関節部のモーターを動かすことで通常よりも重い物を簡単に持てるので、作業をより効率的かつ安全に行えるようにできる。
また医療や福祉の面では、歩行が難しくなってきている患者や、すでに歩行がままならない患者をサポートし救うことができる。
これまで全国9つの病院で24人の難病患者を対象に行われた臨床試験では、HALを装着後、決められた時間内に歩く距離がおよそ10%伸びるといった効果が見られている。
全身の筋力が徐々に低下していく難病「球脊髄性筋萎縮症」や「筋ジストロフィー」といった病を抱えた患者にも効果的であったことが実験で証明された。
■車いすから歩行器へ
Philippe von Gliszynski(フィリッペ・グリスチンスキ)さんは、2010年の冬、雪下ろしの最中に屋根の上から3m下に落下し、第12胸椎以下が麻痺しました。左足の感覚はわずかに残っていましたが、1回の手術と通常のリハビリテーション措置のあと、一生車いす生活を覚悟しなければならない状態でした。ところが、HAL®を用いた機能改善の臨床試験に参加した2012年2月当初、歩行器で72秒かかった10m歩行が、同年6月にはたった26秒で歩けるまでに改善しました。その後の練習により、歩行器を使用し、HAL®がなくても1,000m以上も歩けるようになりました。それは治療開始当初には想像すらできないことでした。
実はヨーロッパではすでに医療機器として使われている
そう、日本での承認がやっと決まったとして報道されているが、ヨーロッパではすでにHALを医療機器として治療の一つとして使用している。
サイバーダインは脊髄損傷や脳卒中を含む脳・神経・筋疾患の患者に対する機能改善治療を目的とした新会社をドイツに設立し、ヨーロッパ全体でその機能が認められている。
ドイツにいたっては労災保険として摘要されているほどだ。
完全版:全身ロボットスーツHALも!?
出典元
下半身と言ったら、上半身用はないの?
と思うかもしれない。
実はすでに上半身を含んだ全身スーツがある。
こちらだと腰回りから胸や肩・腕といった上半身もカバーしているのでアニメに見るような全身ロボットスーツとして使える。
今回の承認は、あくまで医療機器としての承認であったので下半身メインであったが、これから徐々に医療の現場に出ていけば、自ずと上半身も含め多様な形でHALが用いられるようになるだろう。
これで事故にあった時も、救いがもてるかもしれない。
何より、ロボット・医療大国である日本からこのような素晴らしいロボット医療機器が生まれたことが嬉しい。
参考画像・文献:HAL公式サイト
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