日本の7割は森林だと言われている。
しかし、「健康な森」といえる森は少ない。
林業従事者が少なくなっている昨今、適度な間伐ができないままの状態が続くと、山の姿は醜くなり、生物の多様性も望めない。
そんな日本の現状をブレークスルーしつつある小さな村がある。
岡山県にある、「西粟倉村」
人口1600人の小さな村が、今なぜ注目されているのか。
その理由は、我々の遺伝子に刻まれている美意識で解る。
この絶景の数々で、説明は要らないだろう。
生命が循環する若杉原生林
出典:http://oapjmm.o.oo7.jp/100822/100822.html
「森林浴の森日本百選」に選ばれている天然樹林。
村の最北端に位置し、83ヘクタールの面積にブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなど199種もの樹木が立ち並ぶ。
四季それぞれに見所があり、多くの人が訪れる。
<無数のヒメボタルが作る幻想世界>
出典:http://nishihour.jp/about
ヒメボタルは、体長7mmの小さな体で強く鋭く発光する。
通称「森ホタル」とも呼ばれる陸生のホタルだ。
出典:http://goo.gl/fUdLju
アメリカ自然史博物館からの打診があったり、フランスの雑誌でも紹介されたというほどのホタルの里である。
シーズンは7月中旬。鑑賞イベントも行っている。
<木に愛を感じる温泉>
ゲストハウス元湯
出典:http://setouchifinder.com/ja/detail/915
洗面器やお風呂の椅子がころんとしたフォルムでかわいらしい。
なんと、地元の木材で一つ一つ手作りされている。
出典:http://motoyu.asia/hotspring/
宿泊料金はドミトリーなら一泊3,000円〜。
温泉が入り放題でこの値段は安い。
出典:http://motoyu.asia/hotspring/
「緑の砂漠」という言葉をご存知だろうか?
不健康な森は木と木の間隔が狭く、木々の根元には日が差さないため下草が生えない。
木はひょろりと高いだけで根を張る力が弱く、風や大雨に負けてしまい、土砂崩れなどを起こしやすい。
日光が届かないので昼間でも暗く、生き物たちは寄り付かない。
各地で起こる獣害(利己的で嫌いな言葉だが)も、この不健康な山に住めなくなった動物たちが引き起こすのだろう。
この自然豊かな土地である日本で「砂漠」と表現するのは、なんと皮肉な言葉だろうか。
森の治水/保水能力は、生き物たちの命の循環で行われる。
西粟倉村の人々は、森を愛し、森と共生している。
それが本来の人間の姿なのではないだろうか。
「モノ」「便利」に囲まれて、不思議と疲れるのも当然なのだ。
心や身体が疲れた時、ふと訪れてほしい。
自然の本来の姿がここにはある。
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