「日本の就活はクレイジーだ」
つい最近、アメリカ人の友人から言われた言葉だ。
大学2、3年生から就職活動のための資格取得やインターンを始め
3年生の途中からセミナーが始まり、髪を黒く染め直しリクルートスーツを揃える。
大学が「学ぶ」ためではなく、「上手く就職活動する」ための場所となっている。
と、そんな事を語っていた。
だが、これは学生が悪いのではなく、完全に日本の就職活動のシステムが悪い。
それは彼自身も教育の分野の人間なので
日本に来る前から、日本の就職活動やその背景を学び感じていたようだ。
特にアメリカは、大学を卒業して、卒業証書を持って就職活動を始める国なので
余計にそう感じるのだろう。
そんな彼が、「まさにこのアニメがジャパンのジョブハンティングだよ!」と見せてくれた動画がある。
出典元
現在アートディレクターとして活動されている「吉田まほさん」が、
当時在学していた東京芸大大学院の修了制作として作成したもので
日本のみならず、ヨーロッパなどでも賞を受賞した。
今までテキトーに授業を受け、好きなようにやっていた友達が次第に変わっていく。
そんな周りに流されて、自分もリクルートスーツという名の衣装に着替え、メイクも変わる。
違和感を覚えながらも、皆が行く合同企業説明会に
周りの人は、ひたすらうなずき、メモをとって手をあげて、これでもかと狂ったようにアピール
グループディスカッションでは、周りと協調しているように見せながらも「自分、自分、自分」
いつまで経ってもかかってこない合否の連絡を空しく、不安に待つ。
まさに日本の「就活」を表しているといっていい動画だ。
日本の就職活動では、「マナーがあって、協調性があり、聞き分けがよく、それでいて光る何かを持っている人」そんな人が求められやすい。
それにそって、マナーの研修、人の意見を聴きうなずく練習、反対意見の言い方、必勝法と煽られるような決め文句をセミナーで習う。
そういった型にはめられ「没個性化」を求められて、尚且つ優れた経験や資格、それに顔で左右されるのが日本型就職活動だろう。
日本ではファーストキャリアが重んじられ、海外と違い生涯雇用を謳っているので、転職活動がしずらい風習にもある。
そんな中では、「新卒」というカードを必死に使って、多くの学生が大企業を目指す。
この映像を見て、気持ち悪さを感じる人は
みな薄々そんな日本の就職活動に疑問をもっている人だろう。
そして、分かっているからこそ
それがおかしいと思いながらも、そうやって就職活動をし
結果も中々出ずに苦しんでしまう。
ただでさえ、選考に落ちると「自分を否定された」かのように感じていまうのに、この一連の行動を繰り返さなければならない。
だからこそ、苦しいのだ、つらいのだ。
「一体自分は何をやっているんだろう。何がしたかったんだろう」そんなループにはまる。
そうならないためには確固たる信念が必要だ。
本当に大事なことは、「自分がどんな時に、どんな人と、どんな事をすることが一番幸せ」なのかを見失わないことだと思う。
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